2008年11月15日

木の名前

■ 初冬、咲いては散り敷く山茶花、この花、結構せわしない。派手な八重より白の一重の方が、あまり散らかった感じはしません。ところで、サザンカは山茶花と書きますが、中国では、山茶花は椿の総称を意味します(中国・山茶科=日本・ツバキ科)。そして、椿は中国原産センダン科の落葉樹、香椿(シャンチュン、チャンチン)をさすようです。この木なぜか日本では、唐変木(とうへんぼく)とも呼ばれています。気が付かなかったのですが、福岡市の中心部に、街路樹としてあるのだそうです。春にピンク、夏に緑、秋に黄葉する、結構目立つ木のようです。唐変木は気の利かぬ、偏屈な人の意に使い、由来は諸説ありますが、木の名につながるものは見当たりません。多分、後からのこじつけではないかと思います。ちなみに椿は椿事、椿説に使われています。

■ もう一つ、中国で寺院、宋廟などに案内されると、必ず通訳ガイドが、ヒノキに似た常緑樹をさして「柏です」と説明します。「え! 違うでしょう」と我々。ところが、日本にもヒノキ科の常緑樹児手柏(コノテガシワ)が古くからあり、落葉樹の柏とは区別されています。しかし、一般に柏といえば落葉樹を指します。司馬遼太郎の紀行文にもありますが、これは、輸入された漢字が、誤って一般に流布した結果と考えられています。また一説に、当時のエリート達は、書物から柏が薬効もあり、香よく、常緑であることから、中国では、聖なる木とされている事を、認識していました。ところが、いつの頃からか一般では、落葉樹の柏に薬効と器や紙の代用、枯れてもいつまでも、枝から落葉しない様子などから、聖性を感じ取り、常緑樹の柏といつしか入れ替わったのでは、とあります。楓(カエデ)も元はマンサク科の楓(フウ)の誤用、辛夷(コブシ)にも疑いの目が、その他まだまだ有りそうです。

■ 山茶花といえば落ち葉焚き。晩秋から初冬の晴れ渡った空に、静かにたちのぼる白い煙と、焼き芋の香りは、この季節の風物詩、捨てがたいものがあります。にもかかわらず、町内では焚き火禁止令なる御ふれが出され、広報車が音量を上げ「焚き火をしますと警察に通報します!」などと慇懃無礼に触れ回る始末。山火事などの心配は分かるが、ドーニカナンナイノ!!

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