2008年10月28日

秋の夜長

■ 気が付くと、虫の音も小さく静まり、秋の夜長で読書について。数日前のテレビで、好きな作家の一人、角田光代の読書法が、紹介されていました。居場所ごとに本を変え、一日に5・6冊、同時に読んでいるそうです。私も同様な読み方をしてますが、せいぜい3冊どまり、負けてます。しかし、さらに上手がいるもので、井上ひさしは、一日に10数冊読む日もあると、本人がテレビで言ってました。「ホントカヨ!」と、プロの凄さに感服。本を読むのも仕事とはいえ、よほどの本好きでなければ、出来ないことでしょう。

■ 話を角田さんに戻して。彼女が現在読書中の、5・6冊の本が画面に映り、その中に昭和史・満州関係の本が3冊、入っているのが目に留りました。彼女の関心が、どのような方向性を持つものなのか、もちろん、正確に推し量る事は出来ません。ただ、これらの本から、中国と日本の歴史に、関心を向けてきた私としては、昭和初期の金融恐慌、これに続く世界恐慌から、ファシズムの台頭に向かった歴史を、すぐに思い浮べました。世界恐慌の瀬戸際を思わせるような現在、政治に対する不信、経済格差、何より政治家のていたらく。それに、小林多喜二の『蟹工船』に、若い人達が共感を寄せている事など、昭和初期との不吉な符合を感じている人は、少なくないと思います。ひょっとして、角田さんも同じような思いを感じているのかと、勝手に想像したりしました。

■ 国際的には当時とは異なり、各国の協調も進んでいるとは云え、大国主義、ナショナリズムは、いまだ衰えず、恐慌からインフレ、食糧危機、エネルギー、資源、宗教、などの問題を引きがねに、いつどこでまた暴発し、紛争が拡大するかしれません。杞憂だとは思いますが、歴史は繰り返すの例えもあるので、微かに不安を感じています。

■ 読書について書こうと思ったのですが、横道に逸れました。いずれ其のうち。

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